「ニュージーランドの放牧型酪農を天塩の大地で実践。酪農の楽しさを次の世代に伝えたいんです」
北海道の北西部、天塩町サラキシにある宇野牧場は、日本海の潮風と、雄大な野山に囲まれた、厳しくも自然の恵みに溢れた土地で放牧酪農をしています。
3代続く宇野牧場の若き代表 宇野剛司さんは、高校まで地元で育ちました。
幼少期より父の辛さを間近で見ていたことから、酪農に魅力を感じていたわけではありませんでした。
しかし、大学時代の授業で、ニュージーランドの酪農と出会ったことで考えが大きく変わりました。
酪農先進国であるニュージーランドは、高品質の牛乳を低コストで生産しています。
それを支えているのは放牧酪農でした。
放牧酪農をすることで、高品質の牛乳を生産できるだけではなく、働き方のゆとりも生まれます。
ニュージーランドの酪農家さんは、冬は家でのんびりしたり、家族旅行に出かけ、ゆとりある生活をしていることを知りました。
「日本の酪農の典型的なスタイルを変え、ニュージーランドの放牧を導入できるなら、酪農を継いでもいい」
大学を卒業後、実家の牧場を引き継ぎました。
放牧酪農を導入したばかりの頃は、父親も反対し、牛の乳量も減っていました。
しかし、就農3年目から牧草の質も良くなり、乳量も増えてきました。
さらに、時間のゆとりが生まれたことで、宇野さん自ら加工品の製造開発もはじめ、牧場を眺めるカフェスペースもオープンしました。
牛にとって良い環境をつくることが、美味しい牛乳をつくることに他なりません。
四季、昼夜、問わず牛たちは牧場で自由に過ごし、 自分たちの食べたい草を選んで食み、休みたいところで休む。
のびのびと、たくましく、自然の中で過ごす牛からもたらされるみるくは、 味わい深く、心から美味しいと感じられるものです。
牛が食べたくなる牧草を育てるために、しっかりと良い土作りから取り組みます。
そんなみるくを、みるくらしさを失うことなく、でももっとゆっくりとじっくりと味わって頂きたいという思いから
新感覚の乳製品「トロケッテ・ウーノ」ができあがりました。
昔から酪農家の家で作られている牛乳豆腐などヒントに、 試行錯誤を繰り返し、ふんわりとやさしい食感に辿り着きました。
ゆっくりとじっくりと味わえるみるくの美味しさをお楽しみください。
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海のおいしい(漁師 菅井好文さん)
天塩町は北海道最北部に位置し、酪農と漁業が主要産業で人口は約3,200人。
かつて江戸時代は北前船の寄港、交易の要衝として栄えた町です。
畑のおいしい(竹之内農園 竹之内さん)
竹之内農園の3代目 竹之内さん。
高校卒業後、約10年間、町役場の職員として事務仕事をしていました。
しかし、仕事で多くの料理人や農家さんと出会う中で、農業の必要性を再認識。
平成30年に退職、農家を引き継ぐことを決意しました。